舌痛症は何科で受診するべきか?

舌痛症とは

舌に異常が無いにも関わらず、ヒリヒリ・ピリピリとした痛みやしびれが続きます。症状の多くは、舌の先や背中側、舌の脇や縁に表在性の痛みが生じます。食事には支障が無いことが特徴ですが、辛いものや酸味のあるような刺激物で悪化する方もいます。

舌痛症は何科で受診するべきか?

舌に痛みを伴う病気は様々です。このページでは、各症状ごとの舌痛症は何科で受診するべきか?を御紹介します。

口腔粘膜疾患

誤って噛んだり、被せ物や義歯などによる外傷性のもの

口腔粘膜疾患

義歯や被せ物に鋭利な部分があったり、誤って噛んだりして、舌に傷ができるともちろん痛みが出ます。これらも一種の口内炎です。誤咬であれば、そのまま様子を見るか、軟膏をつける程度で治ります。また、鋭利な部分や荒れたところがあれば歯科で研磨すれば、傷の治りとともに舌痛も治まります。ただし、微妙に表面が荒れた仮歯が装着された場合は、仮歯の期間が長くなると僅かな傷が出来て、慢性的に外傷性の痛みが続く場合もあります。写真のように、荒れた範囲がはっきりしない場合もあり、癌ではないか慎重に経過を観なければなりません。

何科を受診すればいいの?

  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

口内炎

口内炎

舌にできる口内炎の中では、アフタ性口内炎と呼ばれるものが最も多く、食事や刺激のあるものでひどく痛んだりしみたりします。下の写真のように直径数ミリ程度のもので、周囲が赤くなるタイプのものが一般的です。原因は不明とされていますが、特に心配する必要はありません。何もせず経過を診るだけで、自然に治る場合も多いです。ただし、中には何回も再発するものもあります。場合により軟膏やうがい薬を使用します。その他に、ヘルペスなどウイルス性の口内炎もあり、その場合は抗ウイルス薬の飲み薬や軟膏を使用します。

何科を受診すればいいの?

  • 内科
  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

口腔乾燥症

口腔乾燥症

口腔乾燥の影響で、刺激物でしみたり、ヒリヒリとした舌痛が出現することがあります。粘膜を保護する作用のある唾液の流出が低下することが原因です。左写真は、舌の表面が赤く、表面の細かい凹凸が無くなり、平らに見えます。口腔乾燥症の一部にはこのような舌になる症例もあります。唾液流出が低下する原因は様々ですが、各種薬剤の内服でも出現します。この症例もお薬の影響が大きいと思われたため、主治医の先生に相談しました。先に挙げた口内炎も口腔乾燥の影響で悪化します。左写真の様に、特に鋭利な歯や義歯がなくても口内炎の治りが悪くなり長引くこともあります。特に高齢になると舌の粘膜が薄くなります。また、無意識に舌を動かしてしまうこと(ジスキネジア)も口内炎に影響を与えます。軟膏の塗布に加えて、保護のためにマウスピースの装着を行う場合があります。 口腔乾燥症の中には、シェーグレン症候群という自己免疫疾患が原因となる場合があります。口の乾燥の他に、目の乾燥や、関節の痛みなど全身症状が現れます。血液検査で抗体価を調べる必要があり、治療は膠原病内科で行われます。

何科を受診すればいいの?

  • 内科
  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症

カンジダ菌という真菌(かびの一種)の影響で痛みがでることがあります。上写真の舌には、白色の苔のようなものが見えます。ガーゼで拭える典型的なカンジダ症によるもので、高齢者、義歯の使用、癌や感染症の影響で免疫力が低下している時などに出現します。このような典型的な白色の苔が見られないものあります。下写真のように口角炎をおこす場合も要注意です。カンジダ菌自体は口腔内の常在菌ですので、菌があれば病気というわけでなく、舌の痛みなど症状があれば治療するということになります。通常は抗真菌薬の軟膏を処方します。

何科を受診すればいいの?

  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

地図状舌、溝状舌

地図状舌、溝状舌

上写真は、地図状舌です。地図のように、白い縁取りのある、赤みがかった斑紋がまだらに出現します。食べ物がしみるなど痛みが出現することがあります。下写真の症例は、溝のような亀裂が目立ちます。溝状舌と言われるものですが、これ自体は痛みがない場合がほとんどですが、刺激物の摂取でしみる場合があります。教科書的にも特効薬は無いとされており、一般的にはうがい薬や軟膏での経過観察が多いです。近年、内服薬の処方で劇的に改善する症例も報告されております。

何科を受診すればいいの?

  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

鉄欠乏貧血、亜鉛欠乏、ビタミン欠乏

鉄欠乏貧血、亜鉛欠乏、ビタミン欠乏

鉄、亜鉛などの微量元素やビタミンの欠乏で舌痛が起こることがあります。近年では栄養状態が改善しており、比較的稀な症状です。栄養状態が問題ない方は心配ありませんが、食事に極端な偏りがあったり、過去に貧血を指摘されたことがあれば、念のため耳鼻科や内科での血液検査をお勧めします。写真は、平滑舌という鉄欠乏性貧血によるものです。プランマービンソン症候群というものの一症状で、舌の乳頭(つぶつぶした細かい突起)が失われ、表面が平滑化し赤くなっています。鉄剤内服などの治療ですが、内科での定期的な血液検査による貧血の評価が欠かせません。貧血が改善しても痛みが治まらない場合は、舌痛症としての治療も検討されます。 また、ビタミンB12と葉酸の不足で起こる貧血も、舌の乳頭が消失します(ハンター舌炎)。胃の手術後の方、胃の粘膜の萎縮がある方(この場合を悪性貧血といいます)や、菜食主義者の方などに起こります。吸収がうまくできないため、ビタミンの内服ではなく注射が必要になります。

何科を受診すればいいの?

  • 内科
  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

口腔がん

口腔がん

舌に痛みを起こす病気の中で、最も重要なのが癌の鑑別です。癌が浸潤し舌の神経を刺激して痛みを発します。2つの写真は東京医科歯科大学での症例ですが、舌痛症と間違われて受診された患者さんのものです。上写真のように、表面がただれて、でこぼこしている、病変の境界がはっきりしていない、周りが硬い、など特徴的な所見の場合はよいのですが、真ん中の写真のように一見すると傷のようなものと思い込んでしまうものあり細心の注意が必要です。 癌の診断の基本は視診、触診になりますが、さらには細胞診、最終的には生検によって診断されます。当院での細胞診は、下写真にあるような歯間ブラシを使って、専用の容器を使用して検査に提出します。麻酔も必要なく、痛くもなんともありません。細胞診も検査法の改良により精度が上がってきていると言われています。しかしながら、最終的な確定診断には生検による病理診断が必須のため、耳鼻咽喉科か口腔外科の専門医にお任せします。ちなみに生検とは、麻酔をして針やメスで組織を採取することです。舌の痛みで受診される方で、がんの診断に至る方は稀ではありますが、見落としがないよう入念な確認が必要です。

何科を受診すればいいの?

  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

白色のレース様の角化病変が特徴ですが、赤味が目立つものや、びらん、潰瘍が見られることもあります。上写真の頬粘膜のように、まだらな白色の病変に発赤が混ざった状態になります。舌の場合は白色の病変が主です。自己免疫疾患やウイルス、細菌の関与、アレルギーなど様々な原因があるといわれていますがはっきりしていません。ステロイドの軟膏や含嗽が一般的な治療法です。皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科への受診をおすすめします。

何科を受診すればいいの?

  • 皮膚科
  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

天疱瘡(てんぽうそう)

天疱瘡(てんぽうそう)

自己免疫疾患で、難病として国の特定疾患に指定されています。水疱やびらんが特徴で、口腔内に出現することが多く、悪化して出血や痛みを伴い食事に支障をきたします。速やかな皮膚科の受診が大切です。ステロイドの内服が治療の主体になります。上写真の患者さんは、舌より口唇に症状が大きく出現し日常生活に支障を来たしていましたが、速やかに皮膚科へご紹介し、入院加療で回復されました。

何科を受診すればいいの?

  • 皮膚科

神経痛

神経痛(三叉神経痛、舌咽神経痛)

神経痛

舌の知覚を司る神経は、三叉神経(舌の前のほう)と舌咽神経(舌の付け根や奥のほう)といいます。この神経が、隣り合った血管に圧迫されると痛みやしびれを起こします。舌の片側だけの痛みで、食事や会話など、舌を動かす時に痛みが悪化する場合は疑わなければいけません。まずは、血管による神経の圧迫がないかMRIでの検査が必要です。治療は手術療法か抗てんかん薬(カルバマゼピンやバルプロ酸ナトリウム)による薬物療法になります。手術は脳の神経と隣接する血管を剥がす神経血管減圧術というもので、脳神経外科の手術の中でも比較的安全なものと言われています。まずはお薬での治療を望まれる方が多いのですが、眠気やふらつき、発疹など副作用に注意が必要です。

何科を受診すればいいの?

  • 脳神経外科
  • ペインクリニック
  • 歯科口腔外科
  • 耳鼻咽喉科

メンタル

うつなどメンタルの病気がある

メンタル

うつなどメンタルの病気で通院中の方は、主治医の先生にまずはご相談ください。これらの病気がお口の痛みに影響することがあるからです。心療内科や精神科でご相談しても、口のことはわからないと言われたら、是非一度、当院でご相談ください。

何科を受診すればいいの?

  • 心療内科
  • 精神科

上記の症状が一般的に言われている【舌痛症】の種類です。

症状毎に受診する診療科が違います。

上記の図をご覧ください。症状によって通院する診療科が異なることがいわかりいただけると思います。思いあたる原因がある場合は、この図を参考に受診されることをオススメします。

受診しても舌痛症が改善されない場合

舌痛症で医療機関を受診をしてみても、改善されない場合があります。「痛みが改善されない」と相談しても、「なおりにくい病気です」「原因が見つからない」などと言われてしまい、お悩みになられる方もいらっしゃると思います。

当院が行なう舌痛症の治療は、そういった原因不明な症状に対して治療を行なう“歯科心身症”專門クリニックです。原因のわからない舌痛症でお悩みになられたら是非当院へご相談下さい。

原因のわからない舌痛症についてはこちらをお読み下さい。