論文紹介:咬合異常感が改善し脳機能画像にも変化を認めたという症例報告

みなさんこんにちは。院長です。

日増しに春らしくなってきましたね。

今日の東京も気持ちの良いお天気ですが、みなさんは如何お過ごしでしょうか。

さて、本日は、咬み合わせの不快感が何回も治療してもしつこく続く咬合異常感に関する論文をご紹介します。

福岡歯科大学に勤務されており、当院にも月1回非常勤で来られている梅崎先生の論文です。

Change of Cerebral Blood Flow After a Successful Pharmacological Treatment of Phantom Bite Syndrome: A Case Report.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30789368

以下、要旨です。

・60歳女性の咬合異常感の患者に対して、薬物療法を行った。
・アミトリプチリンは副作用で継続できなかったが、ミルタザピンとアリピプラゾールの併用で咬合の違和感と全身の倦怠感等が著名に改善した。改善後には補綴(歯の被せ物)処置も終了することができた。
・症状改善の前後に撮影した脳血流SPECT(脳の血流分布を画像化する特殊なCT)画像を比較すると、改善前に確認されていた前頭葉などにおける左右非対称的な脳血流が、改善後には不明瞭化していた。
・咬合異常感の症状と脳血流の左右差との関連が示唆された。

咬合異常感は難しい病気で、この症例のように順調に行く場合とそうではない場合がありますが、治療による脳機能画像の変化を示した貴重な論文だと思います。

続編も、いずれご紹介できればと思っています。

 

院長