• 歯科恐怖症(歯科に恐怖感がある)でお困りの方へ

歯科恐怖症(歯科に恐怖感がある)でお困りの方へ

歯科治療恐怖症とは

歯科治療恐怖症とは、歯科治療に対する、不安、恐怖の程度が強度なために歯科受診を拒否、回避している病態をいいます

本症に対しては、全身麻酔や、笑気麻酔、を用いたり、歯科治療を応急処置の範囲に止めたり、抜歯をせずに義歯を装着する方法などが一般的です。
しかしながら、このような治療は、患者の依存を招き、自力での治療を困難にさせてしまう恐れもあります。

一方で、歯科心身医学的な見地から本症を治療していく方法も従来から数多く報告されています。
系統的脱感作など認知行動療法的なアプローチによる報告が多く、支持的精神療法の併用や、行動制限療法などによる治療も有効とされています。
パニック障害の部分症状ととらえる報告もあり、場合により精神科との連携が必要となる場合があります。

文献

  1. 豊福 明,他:治療的キーワード “良い自分”“悪い自分” を用いて入院治療を行ったpanic disorder (歯科治療恐怖症) の1例. 日歯心身.8,119-128, 1993.
  2. 中村広一:強度の吐き気を主訴とした難治の歯科治療恐怖症の1例.日歯心身.10(2), 101-105, 1995.
  3. 松岡紘史:歯科領域における認知行動療法の活用と今後の課題.歯界展望 111, 778-784, 2008.