舌痛症治療の流れ
歯科心身症の治療の流れ
舌痛症や非定型歯痛などの歯科心身症は、一般的な歯科治療とは治療の考え方や進め方が異なることが少なからずあります。そのため、これからどのように治療が進んでいくのか分からず、不安を感じる方も少なくありません。
ラクシア銀座歯科クリニックでは、まずお困りの症状から普段の生活状況まで幅広い範囲の問診と、診察・検査を十分に行うことを大切にしています。
それらを基にした確実な診断を行い、患者さんの状態に合わせた治療方法を提案し、患者さんと相談しながら治療を進めていきます。
医学的に推奨される治療法をご説明しますが、それだけにこだわらず、患者さんの価値観や生活面での希望などをすり合わせて最善の選択を行います。
ここでは、初診から治療終了までの流れをご説明します。
STEP1 初診・詳しい診察と検査
症状の原因となるものが隠れていないか、丁寧に確認します
初診では、現在どのような症状があるのか、これまでどのような診察や治療を受けてきたのかなどを詳しくお伺いします。
また、これまで他の医療機関で何度も「異常なし」と言われている場合でも、症状につながる原因が隠れていないか、改めて口腔内外を丁寧に診察します。
お口の状態に加えて健康状態に関する問診も行います。さらに、日常生活での疲労やストレスなど、メンタルに影響する問題の確認も行います。
初診時には、主に以下のような診察・検査を行います。
- 問診
- 健康状態の確認
- 日常での疲労やストレスなど、メンタルに影響する問題の確認
- 口腔内外の診察
- パノラマX線撮影
- 必要に応じてデンタルX線・CT撮影
- 口腔内写真撮影
- 必要に応じて唾液量測定
- 必要に応じて真菌培養
- 必要に応じて細胞診
初診は、診察・検査からその後の説明までを含めて約2時間程度を予定しています。
STEP2 診察・検査結果の説明と治療方針の決定
現在の状態をご説明し、今後の治療方針を検討します
診察・検査が終わったら、その結果についてご説明します。
歯や歯ぐきなどに治療が必要な問題がないかを確認したうえで、現在感じている症状をどのように捉え、今後どのように治療を進めていくのかをお話しします。
必要に応じて薬を処方するほか、症状や全身状態によっては、以下のような検査や他科受診が必要になる場合があります。
- 内科受診(採血、心電図)
- MRI撮影
- 他科医療機関への紹介
当院だけですべてを判断するのではなく、必要に応じて関連する医療機関と連携しながら治療方針を検討します。
STEP3 症状を落ち着かせる治療
誤作動や過敏が起きている口腔感覚に関わる神経の働きを落ち着かせていきます
歯科心身症の治療では、痛みや違和感が生じている口腔内へ直接の処置を行うのではなく、乱れている口腔感覚を整え、過敏に働いている神経の働きを落ち着かせていくことを目指します。
患者さんの症状や状態は一人ひとり異なるため、必要に応じていくつかの方法を組み合わせながら治療を進めます。
病気そのものや治療方法への理解を深めます
治療前に重要な項目があります。
- 症状はどのようなメカニズムで生じているのか(病態理解)
- なぜこのような治療法が必要なのか(治療法への理解)
症状を改善する治療がスムーズに進むために、これらへの十分な理解は欠かせません。
薬物療法
口腔感覚に関わる神経の働きを落ち着かせ、安定させることを目的として薬を使用する場合があります。
使用する薬の種類や量は一律ではありません。
症状や体調、現在服用している薬などを確認しながら、患者さん一人ひとりの状態に適した薬の種類や量を検討します。
西洋薬による治療が基本です。また、漢方薬を補助的に使用する場合もあります。
医学的な根拠がある処方を必要量使用する必要がありますが、極力少量に、種類も数種類にとどめるように努めています。
処方開始からおおむね数か月は、こまめに通院していただき、効果や副作用を慎重に見極めながら処方の種類や量を調整していく必要があります。
症状が落ち着き始めると、通院間隔を延ばしていくことができます。
また、処方する薬によっては定期的な血液検査が必要になることがあります。
刺激源との付き合い方を見直します
治療の過程では、過敏になっている口腔感覚を落ち着かせるために、口の中への刺激や、症状を繰り返し意識するきっかけとなるものを減らしていくことも重要です。
例えば、以下のような内容です。
- 原則として歯科治療を一旦中止する
- 口の状態を確認する時間を短くする
- 鏡で何度も口の中を覗く、舌で繰り返し気になる部分を触ることなどを控える
- 歯科治療や症状についてインターネット・SNSで繰り返し調べることから距離を置く
日常生活の改善
生活習慣や環境の見直しも非常に重要です。
例えば、
- 睡眠の確保
- 場合により家事や仕事などの負担の軽減
- 適度な運動
- 十分な栄養
などに注意が必要です。これらに関連して、日常生活の活性化につながる過ごし方の検討や認知行動療法的な考え方も取り入れていきます。
ここまでの説明でもなおも「歯科医院なのに、なぜ歯科治療をしないのだろう」と疑問に感じる方もいるかもしれませんね。
歯科心身症では、まず過敏になっている口腔感覚や神経の働きを落ち着かせることを優先しますので、歯科処置は直ちに必要なもの以外は保留が推奨されます。
ただし、治療途中の根管治療などについては、例外的に歯科心身症の治療と並行して行うこともあります。
必要に応じて他の医療機関と連携します
歯科心身症は、しばしば歯科と医科各科との連携が重要になります。患者さんによって状況は大きく異なるため、必要に応じて臨機応変に他の診療科や医療機関と連携します。
特に心療内科や精神科に通院されている方については、主治医の先生と情報を共有しながら治療を進めます。
そのほか、
- 一般内科
- 耳鼻咽喉科
- 神経内科
- かかりつけの歯科医院
などと連携する場合が度々あります。当院は、医科や歯科を問わず、信頼する専門医とのネットワークを構築するよう努めておりますので、ご希望の際は遠慮なくご相談ください。
症状が落ち着くまでには時間がかかることがあります
乱れた口腔感覚を整え、過敏に働いている神経の働きを落ち着かせていくには、概ね数か月から半年程度かかることが多くあります。
短期間で結果を求めるお気持ちは十分わかるのですが、状態の変化を確認しながら粘り強く治療を続ける必要があることをご理解ください。
STEP4 必要に応じて一般歯科治療を再開(中断している方)
状態が落ち着いてから、必要な歯科治療を慎重に再開します
繰り返しになりますが、たとえ一般的な歯科治療が必要な場合でも、まずは歯科心身症の治療を優先し、口腔感覚や症状の改善、安定を確認します。
その後、症状による日常生活への影響が少なくなっているかなど、患者さんの状態を総合的に判断しながら、一般歯科治療を再開するタイミングを検討します。
一般歯科治療を再開する場合も、歯科心身症の治療を継続しながら慎重に進めていきます。
STEP5 症状の安定を確認し、治療終了へ
症状が落ち着いた後も、状態を確認しながら徐々に治療を終了します
症状が落ち着いたからといって、すぐに治療を終了することはできません。
症状が安定した状態を3〜4か月程度維持し、その後も安定していることを確認してから、薬の減量を始めます。
症状のぶり返しがないかを慎重に確認しながら徐々に減量し、最終的な治療終了を目指します。
治療開始から終了までの期間には個人差があります。
早い方では半年〜10か月程度で終了する場合がありますが、1〜2年程度必要になることも少なくありません。
症状をぶり返さないために、症状が軽くなった段階で急に治療を終えるのではなく、安定した状態が続いていることを確認しながら、段階的に治療を終了していくことが重要です。
治療の先が見えず、不安を感じている方へ
舌の痛みや歯の痛み、口の中の違和感が続いているにもかかわらず、検査では明らかな異常が見つからない。
いくつもの医療機関を受診したものの、症状が続いている。大きな病院に行ったのに良くならない。
そのような状態では、「これからどうすればよいのか分からない」と途方に暮れることもあると思います。
ラクシア銀座歯科クリニックでは、その様なこれまでのご苦労やこれからの不安に寄り添いながら、病状や治療法についてもできる限り分かりやすくお伝えしつつ、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療を進めていきます。
