非定型歯痛について(7)治療法は?②お薬の選択について

前回も触れましたが、治療の主流は抗うつ薬になります。なかでもアミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬が痛みに良く効くということで知られています。奏功例では服用後4,5日程で効果が実感され、1ヵ月前後で約70%の疼痛軽減が得られます。

アミトリプチリンは、先日、院長が内科系の雑誌に執筆しましたように歯痛だけでなく、舌痛症などお口の慢性痛に広く効果があると考えられています。

ただし、効果が強い反面、副作用もそれなりに出てしまうお薬ですので注意が必要です。

我々の調査では、お口の痛みの患者さんで、このお薬のみで良い経過だった方は全体の約3分の1程度でした。その他のお薬の追加や、やさしめのお薬への変更が必要になる方も多いので決して万能ではありません。特に、ご高齢の方や、お薬の副作用に敏感方は、最初から弱めやさしめのお薬から開始されることも多いです。

単純に、この痛みにはこの薬というわけにも行きません。患者さんごとに、オーダーメイドになりますので、処方にあたっては、多くの経験のある施設に相談をされた方がよいと思います。

歯痛のシリーズはまだまだ続きます。