論文紹介:高齢の舌痛症患者へのamitriptylineの使用について(Therapeutic Dose of Amitriptyline for Older Patients with Burning Mouth Syndrome.)
みなさんこんにちは。ご無沙汰をしております。院長です。
今回は、ご高齢の舌痛症の患者さんへのアミトリプチリンの使用についての論文をご紹介します。
Therapeutic Dose of Amitriptyline for Older Patients with Burning Mouth Syndrome.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/odi.13186
大学院の須賀先生がまとめられたものです。以下、要約です。
舌痛症の治療で用いられる少量のアミトリプチリンの服用が高齢者に与える影響は不明な点が多い。そこで今回、65歳未満、65~74歳、75歳以上の三群に分けて、アミトリプチリン服用開始後1か月での効果と副作用について比較したところ、高齢者には若年層より少ない用量で十分な効果が得られることがわかった。また、その際に転倒や認知機能低下等の重篤な副作用が起こることはなかった。低用量アミトリプチリンは高齢者も服用可能で効果的である可能性が示唆された。
アミトリプチリンは、その副作用から使用を躊躇する医師も多いと思われますが、低用量(10~20㎎)であれば大きな副作用は少なく、有効であることが多いことを示唆しています。
もちろん、注意深い経過観察と副作用についての十分な説明が必要ですし、定期的な内科的スクリーニングが望まれるのは言うまでもありません。
院長