舌痛症の治療と唾液量に関する論文(Amitriptyline increases salivary flow in treatment-resistant burning mouth syndrome: What is the underlying mechanism?)
みなさんこんにちは。院長です。
ブログの更新が滞りご無沙汰をしましてすみません。
東京は小雨で早くも梅雨入りの様子ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は、舌痛症の治療に使われる薬剤と唾液量に関する論文をご紹介します。東京医科歯科大学歯科心身医学分野大学院の渡辺毅先生の報告です。以前に大学院の川崎カオル先生が報告した研究をグラフィカルに、そのメカニズムを含めてまとめ直してくれたものです。
舌痛症の治療に三環系抗うつ薬が良く使われますが、 副作用の一つとして口腔乾燥が知られています。
今回の研究は、三環系抗うつ薬のアミトリプチリンを用いた際、唾液の減少が見られる患者さんでは症状の改善が見られ、 むしろ唾液が増えてしまう患者さんでは治療抵抗性を示すという報告です。
今後、さらに症例が蓄積されることで、唾液量と治療反応性のより詳しいデータや、薬物療法と唾液量の関係など、より治療に役立つデータが明らかにされるでしょう。
このような薬の副作用に注目した研究を行うことで、舌痛症などお口の痛みや不快感など歯科心身症の治療における、安全な医療の提供に繋がることも期待されます。