非定型歯痛について(2)治りにくい歯の痛みはどんな症状?

みなさん、こんにちは。

いかがお過ごしでしょうか。

今回は、治りにくい歯痛のお話の続きです。前回は、典型的な歯痛とは違う、一般的な歯科治療では治りにくい、非定型な歯痛や、あご、歯茎の痛みがあるというお話をしました。これらを、非定型歯痛と呼んでいます。また、痛みが顔面に及ぶ場合は、非定型顔面痛と呼ばれます。

この症状、我々が扱うお口の中の痛み、違和感のなかで、最も診断に迷う症状なのです。

まずは、どんな症状を患者さんが訴えてきたか、10人ほど例を挙げてみます。

1、 上の歯茎が入れ歯を入れると痛い

2、 右上奥歯の痛み。寝る時以外ずっと

3、 左下奥の親不知を抜いた歯茎がえぐられる様に痛い

4、 熱い料理を食べると右奥の歯が痛む。ひどい時は右下の前歯も痛みが出る。咳などをすると、右あごの付け根も痛む。

5、 歯、あご、頬、首、肩、頭、右腕の痛み。のどのつまった感じ飲み込みにくい。耳のあたりの圧迫感。かめない。奥歯がカチカチ当たる。

6、 左上の3本のどれかが痛みの特定ができず。根の治療を終えたのにまだ鈍痛がある。左下のインプラント手術の時の痛みより長引いたので心配。すべて治療が途中。

7、 右下の歯茎がズキズキ痛む。時折、右下の歯茎から右耳の前あたり、こめかみまで痛みが走る。飲食時、うがい、話す、歯磨きのときも同じような痛みがある。

8、 親不知を向いた後の疼痛。腫れた感じ。かみ合わせた時の歯茎の痛み。ドライマウス、ネバネバ感、苦み、舌苔、あごの痛み。

9、 右上と右下の歯、頬にぼわーんとした違和感、痛み。右上6番はチクチクズキズキする。横に寝ると痛みが増す。右上の歯の治療で、専門の先生で治療したが痛みが治まらない。痛みで仕事が全くはかどらない。

10、 歯?口の中?SG(解熱鎮痛剤)で紛らわしているが、時々強い痛み。薬が効かないので抜歯を考えている。

痛みといっても、やはり千差万別です。実は、これらの症状には、非定型歯痛以外の症状も含まれているのですが、実際にどんな診断になったのかは、次回ご説明していきます。