非定型歯痛について(5)治りにくい歯の痛みの診断③
前回は三叉神経痛との鑑別について触れましたが、今回は、歯髄炎や根尖性歯周炎という病気との鑑別についてご説明します。
虫歯が大きくなったり、歯のひび割れが原因で、お口の中の細菌で、歯の神経が感染したり(歯髄炎)、細菌が歯の根っこの中を通じて根っこの先に広がって炎症を起こしている状態(根尖性歯周炎)です。
また、以前に根っこの治療(根管治療)をした歯でも、根の先に残った細菌が再びうずき始めることでも起きます。
鑑別のポイントは以下の二つです。
①温かいものや冷たいもので強くしみたり痛んだりする
②食べ物などを噛んだりすると痛みを感じる
このような場合は、歯髄炎や根尖性歯周炎を疑います。
歯の痛みが長引き、非定型歯痛が疑われる患者さんでも、よく口腔内を診察すると、たまにこのような病気の方がいます。
その場合は、根管治療など一般的な歯科治療を再度行っていただきますが、難治性の場合は根管治療専門医の受診を検討することもあります。
治療が長引いたり、歯科で異常がないと言われた場合は、是非一度ご相談ください。治療については次回以降触れていきます。