非定型歯痛について(8)治療法は?③お薬の選択つづき
舌痛症に比べても非定型歯痛の方の場合は、治療への反応性やお薬の副作用の出やすさの個人差が大きい印象です。
前回お話ししたように教科書的には三環系抗うつ薬が用いられますが、近年ではセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)やノルアドレナリン・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA) の有効性も報告されています。
しかし、患者さんごとに脳内で起こっている変化が微妙に異なる部分があると推測され、このような症状の方にはこのお薬でというような薬剤選択の基準は未だ確立されていません。
患者さんの症状や訴え、副作用の出方などから、患者さんの脳内で起こっている神経回路の機能障害を臨機応変に推察しなければなりません。
難しい話になりましたが、クリニックの院長である私も日々勉強が必要ということです。また、臨床面で大学などと連携して研究を続けて行かなければならないと考えています。