咬合異常感を片側性か両側性か症状の出方で解析した論文(Comorbid depressive disorders and left-side dominant occlusal discomfort in patients with phantom bite syndrome (PBS).)
こんにちは、院長です。
このところ多少過ごしやすい東京ですが、皆さんは如何お過ごしでしょうか。
本日は、東京医科歯科大の篠原先生、福岡歯科大の梅崎先生を中心にまとめられた咬合異常感に関する論文をご紹介します。
Comorbid depressive disorders and left-side dominant occlusal discomfort in patients with phantom bite syndrome (PBS).
(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30881094)
咬合異常感(PBS)の原因は確たるものは解明されていませんが、中枢の関与が疑われるとする考え方が主流となっています。
今回の研究は、199例のPBSの症例を、症状の部位と、歯科治療や精神科疾患の既往との関連に注目して解析し、脳機能の観点からPBSの本態について論じています。
結果から、PBSが左右両側に出る症例が最も多く、左側にのみ症状がある場合はうつ病の既往が多くみられ、歯科治療の既往があってもなくても症状の部位には大きな差がなかったとしています。
以上から、PBSには末梢での問題よりも、前頭葉など脳の機能不全、すなわち中枢性の問題が関与している可能性があるのではないかと考察しています。
今後研究が進むことで、より咬合異常感の実態が解明されることが期待されます。