論文紹介:口腔異常感症606例の臨床統計的検討(Clinical characteristics and course of oral somatic delusions: a retrospective chart review of 606 cases in 5 years.)

みなさんこんにちは。院長です。

日増しに秋めいてまいりましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、本日は、お口の異常感症についての論文をご紹介します。当院に月1回非常勤で来られている東京医科歯科大出身の梅崎先生(福岡歯科大学総合歯科勤務)がまとめたものです。

Clinical characteristics and course of oral somatic delusions: a retrospective chart review of 606 cases in 5 years.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6095116/

口腔異常感症は、器質的な所見は認められないにも関わらず口腔内の奇異な異物感を訴える疾患をいいます。専門的には口腔内セネストパチーとも呼ばれます。他の歯科心身症と同様中高年の女性が比較的多いです。

たとえば、「口のなかがネバネバ、ベトベトする。粉っぽい。」、「ドロドロした液が出てくる」「口の内でプラスチックの様なものが動いている」「ひっぱられる様な感覚がある」「唾液が大量に出てくる」など訴えは幅広く多様で、歯科治療後に発症することもありますが、きっかけが無い方も多くおられます。

なかなか病態を解明することが難しい病気ですが、今回は606例と多数の症例をレトロスペクティブに解析し興味深い結果が出ています。

口腔異常感症の病態の特徴として新たに、

1、うつの状態が悪いときに歯科治療をすると口腔異常感症が出やすくなる
2、口腔異常感症が判明したら早期に治療を開始した方が良い

という2点がわかってきました。

メンタルの病気も含めて、調子が悪いときは歯の治療は用心して受けましょう、ということですね。

何はともあれ、気温の変動が大きい季節ですのでくれぐれもお大事に。