論文紹介:超高齢舌痛症に対するアミトリプチリンとアリピプラゾールの効果と副作用について

皆さんこんにちは。

コロナに加えて、物騒な事件もあって落ち着かない日々です。
天候もすっきりしませんが、草木にとっては恵みの雨になったようですね。

本日で当院は開院7年目に入りました。お世話になっている関係者の方々、患者様方には、この場をお借りしまして心からお礼を申し上げます。
今後もスタッフ一同精進してまいりますので、どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。

さて、久しぶりに論文をご紹介いたします。

超高齢者の舌痛症に対するアミトリプチリンとアリピプラゾールの効果と副作用に関するもので、東京医科歯科大の渡邊素子先生がまとめた大変興味深い論文です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35295804/
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpain.2022.809207/full?&utm_source=Email_to_authors_&utm_medium=Email&utm_content=T1_11.5e1_author&utm_campaign=Email_publication&field=&journalName=Frontiers_in_Pain_Research&id=809207

近年、舌痛症にアリピプラゾールが有効であったとする報告が出されておりますが、これまでは症例報告でした。
今回後ろ向きではありますが有効性がデータとして出された点で注目されます。
本研究では80才以上の超高齢者に限ってアミトリプチリンの低用量療法と比較をする形で、効果と副作用を検討しています。
有効率には統計的有意差は無く、有害事象はアリピプラゾールの方が有意に少ない一方で、アミトリプチリンの方が服薬中止率は低く服薬期間も長かったという結果でした。
とても興味深く貴重な研究ですが、中年層まで含めるとどうなるか、また、今後プラセボ含めたエビデンスレベルの高い研究につながって行くことが期待されます。

院長